【最新】2025年第1四半期ベトナムFDI動向分析：過去5年間で最高の実績

April 24, 2025June 16, 2025

はじめに

ベトナム経済は2025年に入っても堅調な成長を続けており、特に外国直接投資(FDI)の分野において顕著な成果を上げています。本稿では、2025年第1四半期のベトナムにおけるFDI動向を詳細に分析し、日系企業の進出検討に役立つ情報をご提供いたします。

ベトナム統計総局のグエン・ティ・フオン局長の発表によると、2025年第1四半期のベトナムへの登録FDI総額は109.8億米ドルに達し、前年同期比で34.7%増加しました。これは、ベトナム経済の明るい材料の一つとして評価されています。

特筆すべきは実行済みFDI（実際に投資された金額）が49.6億米ドルに達し、前年同期比7.2%増加したことです。この数字は、過去5年間の第1四半期としては最高額となりました。

2025年第1四半期には、850件の新規FDIプロジェクトが認可され、登録資本金は43.3億米ドルに達しました。これは前年同期と比較して、プロジェクト数は11.5％増加した一方、登録資本金は31.5％減少したことを示しています。

最も多くの投資を集めたのは加工製造業で、新規登録資本の60.5％を占める26.2億米ドルが投資されました。次いで不動産事業が11.3億米ドルで26.1%を占め、その他の産業は5.8億米ドルで13.4%を占めています。

既存プロジェクトの資本調整も含めると、加工製造業への投資総額は63億米ドルとなり、全体の66.5%を占めました。不動産分野は22.4億米ドルで23.6%、その他産業は9.4億米ドルで9.9%となっています。

注目すべき点として、前年に認可されたプロジェクトの投資資本調整が401件あり、追加のFDI資本総額は51.6億米ドルに達し、前年同期の5倍に増加しました。これは、既存投資家のベトナム経済に対する強い信頼を示しています。

外国投資家による資本出資および株式購入も活発で、810件の登録があり、資本総額は14.9億米ドルで前年同期比83.7%増加しました。この形態においても加工製造業が4.9億米ドルで32.7%を占め、専門・科学技術活動が3.4億米ドルで22.7%、その他産業が6.6億米ドルで44.6%を占めています。

ベトナム企業による海外投資も急増しており、第1四半期には30件の新規投資プロジェクトが認可され、投資総額は2.34億米ドルと前年同期比9.4倍に増加しました。資本調整プロジェクトも5件あり、調整資本は540万米ドル増加しました。

その結果、2025年第1四半期のベトナムの海外投資総額は約2.39億米ドルに達し、前年同期比9.5倍という驚異的な成長を見せています。

政府報道官のチャン・ヴァン・ソン氏によれば、2025年1月のベトナム経済は、勤務日数が少なかったにもかかわらず回復を続け、マクロ経済の安定、インフレの抑制、および主要な経済バランスが確保されています。

消費者物価指数(CPI)は前年同期比3.63%上昇し、コアインフレは3.07%上昇しました。金融、信用、外国為替市場は安定しており、経済に対する十分な資本供給が確保されています。

このような好調なFDI実績は、ベトナムが引き続き魅力的な投資先であることを示しています。特に加工製造業への投資が多いことから、製造拠点としてのベトナムの重要性が高まっていることがわかります。

日系企業にとっては、ベトナムの強固な経済基盤と政府の外資誘致に対する積極的な姿勢が、新規進出や事業拡大の好機となっています。特に製造業や専門サービス分野において、競争力のある事業展開が期待できるでしょう。

2025年第1四半期のFDI動向から、ベトナムは引き続き東南アジアにおける有力な投資先としての地位を確立していることが明らかです。過去5年間で最高のFDI実行額を記録したことは、国際投資家からの信頼の表れと言えるでしょう。

TMIグローバルコンサルティングでは、このようなベトナム投資環境の最新動向を踏まえ、日系企業の皆様に最適な進出戦略と法務サポートをご提供しています。ベトナム進出をご検討の際は、ぜひ弊社の専門家にご相談ください。

※本記事は上記の公開情報をもとに、TMIグローバルコンサルティングが分析・執筆したものです。最新の情報については、各関係機関への確認をお勧めいたします。